奈良の昔話

8月10日(月曜日)               
猫とネズミ

むかし、ネズミは、すばしこくって抜け目がなかったから、のんびり屋で、間のぬけた
猫を見ると、いつもバカにしていました。あるとき神様が動物ビたちを集めて、
「干支をきめたいとおもうが。」とおっしゃつたとき、だれがえらばれるだろうと大騒ぎ
なりました。困った神様は、「あすの朝、ここへ早くきたものから順に、十二番目
までを干支にする。」それをきいて動物たちは「自分こそ一番のりだ。」とはりきって
帰っていきました。そんな動物たちのようすをじっと見ていたが、ネズミと牛です。
ネズミは、猫がきていないので、あるたくらみをおもいつきました。
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牛は、自分がのろまなことを良く知っていたので、「今夜のうちに出かけよう。」
とかんがえていました。牛が小屋へもどると、ネズミは猫をさがしました。、
そのうち、野原をうかれている猫に出会ったので、「もし、ネコさん神様が、
干支をきめるそうだから、あさっての朝早くいくといいよ。」と、声をかけて直ぐに
引き返しました。夜中に牛がこっそり小屋を出ていくと、「一番のりされてたまるか。」
と、ネズミは、牛の背中にとびのりました。牛がなにもしらずに、明け方
神さまのところへつくと、いきなりネズミが目の前にとびおりて、「おいらが一番!
というではありませんか。牛は、しかたないので「おいらが二番。」と言って、
神様の前に並びました。さて、ネコは、ネズミにおしえられたとおり、
その次の朝でかけていくと動物たちはだれもきていません。猫はよろこんんで、
「おいらが一番!」とさけぶと、神様が「干支はきのうきまったよ。」といって怒られました
猫はくやしがり、それから、ネズミを見かけると、追いまわすようになりました。
終わり