その2
健康障害防止のため

ウエストサイズは、太くしない

BMIとウエストサイズによる健康の管理を

BMIだけでは肥満が皮下脂肪型か内蔵脂肪型かまではわかりません。
正確に測定するにはCTスキャンしかなく、
市販されている、体脂肪計でもこれは測れません。

そこで、おすすめしたいのが、自分のウエストサイズを測ることです
つまりベルトの穴の位置が前の方にずれてくれば、体重は同じでも
内臓脂肪型肥満が進行していることを物語っています。
これの限界は
男性で85cm以上、女性では90cm以上です。

なお、ウエストサイズとヒップサイズを測りウエストの方が大きいようならば
これも要注意です。この逆で、ウエストのサイズが小さくなれば
内臓脂肪も減って健康になり、ひいては
スタイルもよくなり美容上のもんだいも解決するというわけです。

コレステロールの益と害

脂肪の一種であるコレステロールは、そのままでは血液中に溶けないので、
タンパク質と一緒になって全身を循環しています。
コレステロールは細胞の壁やホルモンの原料となる大事な物質で、
女性の体を女性らしくふくよかにしているのもコレステロールを

材料としている各種ホルモンの働きによっています。
またかって日本人に脳出血が多かった原因は、
コレステロールが不足していたため血管の壁が弱かったから
とされています。まさに、コレステロールは生きていくためには
不可欠の物質なのです。

悪玉コレステロールを退治する方法

ところが、遺伝要因に加えて過食や偏食によってコレステロールが増え過ぎると、
血管の壁に付着して動脈硬化を起こし、これが
脳梗塞や心筋梗塞の原因となります。
ところで、コレステロールには悪玉コレステロール(LDL)と、
善玉コレステロール(HDL)があるという見方があります。

肝臓で作られたコレステロールを血管壁などの組織に運ぶのが悪玉コレステロールで、
組織から回収してくれるのが善玉コレステロールです。
そこで、大切なのは善玉コレステロールを増し悪玉コレステロールを退治する方法です。
この基本は肥満を防ぐ方法と全く同じです。つまり、エネルギーの過剰摂取を控え、
消費エネルギー量を増やすことが必要なのです。

しかし、
これを非生理的な範囲の無理な減食ダイエットによって行うと
脂肪より筋肉が減ってしまい、見た目はやせている
「隠れ肥満」を増やすだけで、
健康にはよくありません。
また、減食ダイエットだけでやせようとすると必要な栄養素が不足して、

やせたのはいいが、顔色が悪くなったり、
肌に吹き出物ができるなど、
かえって健康状態が悪化することになります。

整理的な減量をしながらコレステロール値を下げる

減量をしながらコレステロール値を下げるためには食生活の改善が大事です。
一般に、コレステロールを多く含む食品はエネルギーも高いので、
このような食品を食べ過ぎないことと
塩分や糖分を摂り過ぎないことが、
ポイントになります。そこで、
低カロリーで良質のタンパク質を多く含む食品、

例えば、
赤身の肉、白身の魚、大豆類などに、ビタミン、ミネラル、植物繊維を
多く含む
野菜、海草、キノコ類などを組み合わせ、調味料の一つとして、
オリーブ油やアミノ酸を豊富に含む
酢(米酢の一種である黒酢など)を使えば、

食品中に含まれる有効な成分を活用できると共に、
摂取エネルギーを上手に減らすことができる低カロリーで栄養バランスのよい
南イタリア風の健康食となります。
さらに、
酢を上手に使用することで塩分や糖分の摂り過ぎを抑えることができる。

ところから、悪玉コレステロールを制御し、血圧のコントロールにも
効果があるといわれています。

以上、食事に気をつけ、運動を積極的に取り入れ、生活週間病予防と
健康増進に寄与する正しい「ウエストサイズ物語」を書き上げられる事が望まれます。

終わり

                     
以上 監修 東京慈恵会医科大学健康医学センター前教授 池田義雄